【矯正歯科】
口ゴボを治したい!自力で治せるの?適切な治し方を解説。
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「口ゴボを自力で治せると聞いたけど、本当なの?」
「歯の矯正で口ゴボは治せるの?」
「私の口は口ゴボなのかな?」
自分が口ゴボかもしれないと思ったり、口ゴボを自覚して治したいと思った時に、インターネット上にはさまざまな質の情報が乱立しています。
そのため本記事では、口ゴボの治療にも豊富な実績がある歯科医師が口ゴボについて、またその治し方について解説します。
本記事を読むことで、口ゴボの治し方について理解しコンプレックスの解消に一歩近づけられると思います。
口ゴボとは?
口ゴボは、鼻と顎を結んだラインよりも口元が飛び出ている状態のことを指します。
実は、口ゴボというのは医学的な用語ではなくSNSで生まれた用語と言われています。
検索の動向をGoogleトレンドで調べたところ2016年ころから検索ニーズが上がっていき、現在でも検索ニーズがあがっている状況です。
この検索ニーズには、恐らく「口ゴボを解消したい」というニーズを反映しているのでしょう。
当院でも口ゴボを治したいという患者様は毎年、増えてきている状況です。
口ゴボは自力で治せるの?
口ゴボと調べると「自分で治す」といった記事などが出てくることが多いのですが、口ゴボは自分で治すことはできません。
自分で治そうとした場合、歯が折れてしまったり、歯の寿命が縮まったり、歯並びが悪くなるリスクがあります。
口ゴボを改善したい場合は歯科医院や美容外科に相談するようにしましょう。
ここでは、巷に言われている口ゴボの治し方について1つ1つリスクを踏まえて解説してみます。
歯や歯茎を押す
歯や歯茎を押すことで口ゴボを治すという話があります。
歯の矯正というのも、歯に継続的に力を加えていくことで歯並びを改善していきます。
しかし歯並びに影響を与えるためには1日20時間以上、力を加え続ける必要があります。
その点でまず1日20時間以上力を加え続けることは不可能です。
その上で歯を押す方向を間違えれば、うまく歯が並ぶことはありません。
そして、通常の歯の矯正においては非常に弱い力でコントロールするのですが歯肉が下がることや知覚過敏のリスクがあります。
歯や歯茎を押すという点においては、力のコントロールもできないためリスクは非常に大きいと言えるでしょう。
舌周しのトレーニング
舌回しのトレーニングは、右上の奥歯と頬の間に舌を差し込み歯の側に舌を押し当てます。その後、歯に舌を押し当てながらゆっくりと前に舌をスライドさせながら、前歯まで到達し左の奥まで到達させます。
その後、左下に移動させ右下の位置までスライドさせていきます。
10周とりくんだら、今度は逆方向に10周やるようにします。
これらに取り組むことで、舌の筋肉が鍛えられ唇を閉じる力が鍛えられ口呼吸が改善します。
口呼吸は出っ歯の原因になるため、改善することで口ゴボの原因となる出っ歯を防ぐことができます。
ただし口ゴボになってから舌回しのトレーニングをしても口ゴボを改善するには至りません。
舌の筋肉を鍛えることは、口呼吸の改善、滑舌の改善などさまざまな効果があるため、実践していくこと自体は推奨されます。
口の周辺のマッサージ
近年、動画のコンテンツで「マッサージで口ゴボを改善する」といった類の動画も多く存在しますが、残念ながらマッサージで口ゴボは改善しません。
口ゴボは、歯並びや骨格の問題であり、それらはマッサージで改善するものではありません。
口ゴボの治し方
口ゴボの治し方については、口ゴボの原因によってそれぞれアプローチの方法が異なってきます。
原因別にそれぞれの治し方について解説していきます。
歯並びが原因の場合
歯並びが原因というのは、顎の骨などの位置は正常であるのにも関わらず歯が前に突き出してしまっている状態の場合です。
いわゆる出っ歯と呼ばれるものです。
歯並びが原因の場合は、歯の矯正治療で口ゴボを治します。
非抜歯矯正(歯を抜かない矯正)
非抜歯矯正は「ひばっしきょうせい」と読み、歯を抜かない矯正のことを指します。
出っ歯の原因は、顎が小さく歯が並ぶスペースが足りない場合に起きるため、通常であれば歯を抜いて歯が並ぶスペースを使って治療することが一般的です。
しかし、奥歯を後方に動かし、歯列拡大を行い、歯の健康に影響のない範囲で歯と歯の間を薄く削ることで、歯を並べるスペースを作って、マウスピース矯正で治療する方法があります。
歯を抜かないで口ゴボを解消したい方は、この治療法が向いていると言えるでしょう。
抜歯矯正
抜歯矯正は「ばっしきょうせい」と読み、文字通り歯を抜いて矯正する治療方法です。
どの歯を抜くのかは、患者様の歯並びや噛み合わせ、歯の状態次第ですが一般的には小臼歯と呼ばれる真ん中の歯を抜くことが多いです。
歯を抜く分のスペースができるので、重度の出っ歯ではこのように歯を抜いて矯正治療をおこないます。
その場合は、歯を大きく動かすことができるワイヤー矯正を選択することが多くなります。
骨格が原因の場合
顎の骨の形が原因で口ゴボになっている場合は、外科矯正が必要です。
外科矯正とは、つまり顎の骨を削るという手術が必要になるということです。
顎の骨が原因で歯並びが悪い状態は「顎変形症(がくへんけいしょう)」という名前で呼ばれます。
通常矯正治療の場合、健康保険が適用されない自由診療になりますが、顎変形症と診断された場合は、健康保険が適用になる場合があります。
鼻や顎が原因の場合
鼻や顎先が小さく引っ込んでしまっている場合、相対的に口ゴボになってしまう可能性があります。
例えば、鼻が低すぎる、顎が引っ込みすぎている、唇が厚すぎるなどが原因で口ゴボになることがあります。
顎を高くする、鼻を高くするなどは美容整形の分野になると思われます。
顎が引っ込んでいるように見える人は、歯並びが原因で顎が後ろにずれてしまっている場合があります。
その場合は、歯列矯正で治療できる場合があります。
生活習慣を改善して口ゴボを改善する
口ゴボには、悪い生活習慣が原因で悪化してしまう可能性もあります。
今から述べる習慣は、口ゴボを悪化させてしまう可能性があるので必ず改善していくようにしましょう。
口呼吸を治す
口呼吸は出っ歯の原因となり結果的に口ゴボになってしまう可能性がある習慣です。
唇を常に閉じていることで歯が前にいかないように防いでいる形になるのですが、口呼吸の方は口が開きっぱなしになってしまうため、歯が前に出てきてしまう逃げ道がある状態になってしまいます。
その他、口呼吸は口の中を乾燥させてしまうため、虫歯や歯周病のリスクを高めてしまう可能性があります。
よって、口ゴボの改善はもちろんその他の悪影響もあるため、口呼吸は改善していきましょう。
舌の癖を治す
舌先で前歯を押す癖がついていると、持続的に歯を前側に押し出す形になります。
そのため、歯が出っ歯になってしまう原因にもなってしまいます。
口を閉じている時は、舌は上顎にくっついている状態が正しいのですが、時々舌を前歯に押し当てたりしていたりする自覚のある方は舌癖を直していきましょう。
先ほど述べた舌回しトレーニングなどが有効な対処方法になります。
指しゃぶりを治す
指しゃぶりの癖は出っ歯の原因になります。
舌の癖と同様に、指しゃぶりをすることで歯に通常かからない力をかけてしまうことが出っ歯の原因となります。
また大人の指しゃぶりは、開咬(かいこう)と呼ばれる悪い歯並びの状態の原因となります。
見た目も当然良くないので、指しゃぶりの癖も直していきましょう。
下唇を噛む
下唇を噛む癖も、上の歯を斜め前に押し出してしまい出っ歯の原因となります。
よく悔しがるさまを「唇を噛む」といいますが、その行為は悪影響が実は多かったのです。
下唇を噛む癖は、下の歯を内側に倒してしまうため、上の歯は外側に倒れ下の歯は内側に倒していくことで噛み合わせを深くしてしまい「過蓋咬合(かがいこうごう)」と呼ばれる噛み合わせの原因となります。
過蓋咬合は、歯と歯が摩耗してしまいダメージを負わせてしまうことに加え、顎関節症を引き起こすリスクもあるため、なるべく早く下唇を噛む癖が解消していきましょう。
関連記事:出っ歯の矯正で可愛くなれる?理由やおすすめの矯正を紹介
口ゴボを当院で治したい方へ
当院では、口ゴボを治したいということで治療に来られる患者様が毎月多くいらっしゃいます。
そこで口ゴボ1つをとっても患者様のニーズや悩みというのは様々であり「どんな状態をゴールとするのか」を明確にヒアリングした上で矯正の提案をしています。
例えば、歯の機能的な面だけさえよくなればいいのか、見た目までよくしていきたいのかなど患者様によってニーズはさまざまです。
そのような悩みに寄り添って治療に臨んでいます。
なるべく歯を抜かない矯正
当院では「なるべく歯を抜かない矯正」に取り組んでいます。
歯を抜かない矯正では、インビザラインと呼ばれるマウスピース型の矯正装置を利用します。
口ゴボの場合、口元の前突感(ぜんとつかん)つまり出っぱった感じを治す必要があります。
口ゴボ治療ために、口元全体を後方に引き下げていくのですが、抜かない矯正の場合は歯を後方に移動させ、歯と歯の間を薄く削り移動させて、歯列全体を後ろに下げるスペースを確保します。
抜かない矯正で適応できる場合は、健康な歯を抜かないで済むため当院では積極的にご提案させていただいています。
ただし、口元全体にボリュームがあり出っ張っている感じが強い場合は、歯を抜いてより歯が動くスペースを作っていきます。
患者様に寄り添った治療計画の提案
当院では、患者様の目指すゴールに向かって矯正治療に取り組んでいます。
当院の強みは、歯並びを改善することで機能的な側面を改善することはもちろん、審美性つまり見た目にもこだわって矯正治療に臨むことができる点です。
一方で、重度の口ゴボの場合は、信頼のできる歯科医院にご紹介をさせていただき、連携して審美面と機能面の改善を行えるようにしています。
何よりも矯正治療の結果、満足してもらえるような治療ができるよう全力を持って取り組んでいます。
まとめ
本記事では、口ゴボの治し方についてまとめてみました。
「口ゴボは自力で治す」のようなうたい文句の情報があふれていますが、自力での治療は危険であり、専門家による適切な治療が必要です。
口ゴボはその原因によって治療法が異なり、歯並びが原因の場合は矯正治療、骨格が原因の場合は外科矯正、鼻や顎が原因の場合は美容整形や矯正が選択肢となります。
まずは歯科医院で口ゴボの原因について調べてみてもらうのも1つの手でしょう。
また、口呼吸や舌癖などの生活習慣の改善も非常に重要です。
口ゴボの治療は、生活習慣の改善と矯正治療によってきれいな口元を手に入れましょう。
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監修者
- アンチエイジングデンタルクリニック恵比寿 小川 朗子(おがわ あきこ) 担当科目:一般歯科/専門治療 矯正歯科・点滴療法
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1996年 鶴見大学歯学部卒業
1997年〜2006年 都内開業医勤務
2004年〜南青山デンタルクリニック副院長
2006年 アンチエイジングデンタルクリニック恵比寿開院
2007年 抗加齢医学会認定専門医取得
2015年 インビザライン認定医取得
2017年 高濃度ビタミンC点滴認定医取得
2018年 インディアナ州立大学歯学部 歯科矯正プログラム認定医取得 - 公式サイトトップへ