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【矯正歯科】

矯正後は「リテーナー」で後戻りを防ぐ!保定装置の重要性と失敗しない矯正歯科の選び方

Last Updated on 2025年10月26日 by 小川朗子

矯正治療が終わって装置を外した瞬間、「これで治療が完了した」と感じる方は多いでしょう。
しかし、実は矯正治療の本当の成功は“装置を外したあと”に決まります。

歯は矯正によって新しい位置に移動しても、すぐにその場所に定着するわけではありません。
歯を支える骨や歯ぐきが安定するまでの間は、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こりやすい状態です。

この後戻りを防ぐために欠かせないのが、**リテーナー(保定装置)**です。
どれほど丁寧に矯正を行っても、保定を怠ると歯は少しずつ動き、せっかく整えた歯並びが崩れてしまいます。

本記事では、矯正後の保定がなぜ重要なのか、リテーナーをつけないとどうなるのか、
そして後戻りを防ぐために知っておくべき「正しい保定期間」と「矯正歯科選びのポイント」について詳しく解説します。

1. 矯正治療は「終わってから」が本当の始まり

矯正治療は、歯を動かしてきれいに並べることが「ゴール」と思われがちですが、実際には装置を外した後の保定期間こそが最も重要なステップです。

歯は、周囲の骨や歯ぐき、筋肉、舌の圧力、噛む力といったさまざまな要素のバランスによって支えられています。
矯正で歯を動かすと、このバランスが一時的に崩れるため、治療直後は歯がとても動きやすい状態にあります。

そのため、矯正直後の1年間は「歯が元の位置に戻ろうとする力」が最も強く働く期間
この時期にリテーナー(保定装置)をきちんと装着しなければ、せっかく整えた歯並びが少しずつずれてしまい、最終的には元の位置近くまで後戻りしてしまうこともあります。

「治療が終わったあともリテーナーを正しく使用して、歯並びを安定させる」——
これこそが、矯正治療の“本当の完成”であり、長期的な美しさと機能を守るために欠かせないプロセスです。


2. 保定装置(リテーナー)の役割とは?なぜ歯は戻ろうとするのか

矯正治療によって歯を動かすと、その周囲にある骨や歯ぐき、歯根膜(歯の根を支える薄い膜)などの組織も、ゆっくりと新しい位置に合わせて再形成されます。
しかし、これらの組織が安定するには時間がかかり、治療直後はまだ「元の位置に戻ろうとする力(後戻りの力)」が強く働く状態です。

このときに重要な役割を果たすのが、リテーナー(保定装置)です。
リテーナーは、動かした歯を理想的な位置に安定させるための“固定装置”であり、矯正治療の仕上げとも言えます。

もしこの保定を怠ると、歯は時間の経過とともに少しずつ動き、噛み合わせが乱れたり、歯列全体のバランスが崩れたりすることもあります。
また、後戻りが進行すると再び矯正治療が必要になる場合もあり、歯や歯周組織に負担をかけてしまいます。

つまり、リテーナーは「矯正治療の延長」ではなく、歯並びを一生保つための重要なメンテナンスステップなのです。
矯正の“成功”とは、治療後に安定した歯並びをどれだけ長く維持できるかにかかっています。


3. 保定を怠るとどうなる?実際の“後戻り”リスク

矯正治療後の歯は、一見しっかりと整って見えても、周囲の骨や歯ぐきが完全に安定しているわけではありません。
そのため、リテーナー(保定装置)を使用しない状態が続くと、歯はゆっくりと元の位置へ戻る「後戻り」が起こります。

この後戻りは、数日〜数週間といった短期間でもわずかに始まり、
数ヶ月以上放置すると、肉眼で分かるほど歯列にズレが生じることもあります。
リテーナーが合わなくなり、再製作が必要になるケースや、
後戻りが進行して再び矯正治療を行わなければならないケースも少なくありません。

また、後戻りによって生じた微妙な歯のズレは、噛み合わせや発音、顎関節のバランスにも影響します。
見た目だけでなく、咀嚼の効率低下や歯への過剰な負担、歯周病の進行リスクにもつながるため、
「保定を怠ること=口腔機能の低下」にも直結します。

歯は一生を通じて、噛む力や舌の圧、加齢変化などによって少しずつ動くものです。
そのため、矯正で整えた歯並びを長く保つためには、リテーナーを“期間限定”ではなく“習慣”として使い続けることが大切です。

一度きれいになった歯並びを維持できるかどうかは、保定をどれだけ継続できるかにかかっています。
矯正治療は「歯を動かすこと」ではなく、「動かした歯を安定させること」で初めて成功といえるのです。


4. 保定装置(リテーナー)の種類と特徴

リテーナー(保定装置)には、目的やライフスタイルに合わせていくつかの種類があります。
どのタイプを選ぶかによって、装着感や見た目、清掃のしやすさ、保定力などが異なります。
一般的に、矯正治療後に使用される代表的な3種類のリテーナーについてご紹介します。

■ マウスピース型リテーナー(透明タイプ)

もっとも一般的で、現在主流となっているのが透明のマウスピース型リテーナーです。
透明な素材で作られているため、見た目が目立たず、装着時も自然。
会話中や就寝中も快適に使用でき、取り外しができるため清掃性にも優れています。

歯磨きやフロスも通常どおり行えることから、衛生面を重視する方にもおすすめです。
また、矯正後の小さな後戻りであれば、このマウスピースが歯を正しい位置に戻す“微調整”の役割を果たすこともあります。

ただし、食事や歯の治療などで外す時間が長くなると、歯が少しずつ動いて装着がきつくなる場合があります。
また、被せ物や詰め物を新しく作り直した場合は、リテーナーも再製作が必要になることがあります。

🔹当院では、インビザライン治療後には耐久性とフィット性に優れたマウスピース型リテーナーを採用しています。


■ ワイヤー固定型リテーナー(裏側固定タイプ)

前歯の裏側に細いワイヤーをボンドで固定するタイプのリテーナーです。
歯の裏側に装着するため外からは見えず、常に歯を固定できるため、確実な保定効果が得られます。

日中にマウスピースを外して過ごしたい方や、仕事中に長時間装着が難しい方にも向いています。
一方で、フロスが通しにくくなるなどお手入れが少し難しくなる点には注意が必要です。

また、接着部分に汚れがたまりやすいため、定期的な歯科でのチェック・メンテナンスが重要です。
当院では、金属アレルギーをお持ちの方にはアレルギー対応ワイヤーでの保定も行っています。

🔹ワイヤー固定とマウスピース型を併用する「ダブル保定」によって、より確実な安定を図ることも可能です。症例や舌癖の有無によってダブル固定をご提案する場合があります。


■ 義歯タイプ・特殊型リテーナー

強い後戻り傾向がある場合や、舌で前歯を押す癖がある方には、
前歯を両側からしっかり支える義歯タイプのリテーナーを使用することもあります。

このタイプは、特に前歯の突出や開咬(前歯が噛み合わない状態)の再発防止に効果的です。
一方で、やや目立ちやすく、慣れるまで発音に違和感を感じる場合もあります。

再矯正を繰り返した方や、強い舌圧による後戻りがある方など、安定性を最優先するケースで選択されます。


リテーナーの選択は、見た目や装着感だけでなく、歯列の状態・治療内容・生活スタイルなどを総合的に考慮して決めることが大切です。
担当医と相談しながら、自分にとって無理のない保定方法を選びましょう。


5. 当院の保定方針:後戻りを防ぐための“個別対応”

矯正治療の目的は、歯をきれいに動かすことだけでなく、動かした歯を安定した状態で維持することにあります。
そのため当院では、治療後の歯の安定性を重視し、患者様ごとに最適な保定方法を選択しています。

現在、当院では原則としてマウスピース型リテーナーによる保定を行っています。
このタイプは透明で目立たず、取り外しができるため清掃性に優れ、就寝時の装着にも負担が少ないのが特徴です。
また、軽度の歯の動きであれば、マウスピースが自然に位置を戻す「微調整」の役割を果たすこともあります。

一方で、後戻りのリスクが高い方や、矯正中の経過で歯が動きやすい傾向が見られた方には、
ワイヤー固定型リテーナーを併用するなど、個別に対応しています。
保定期間中の定期検診で歯の動きを細かくチェックし、必要に応じてリテーナーの形態や装着方法を調整する体制を整えています。

つまり、当院では「すべての方に同じ保定方法を一律に適用する」のではなく、
歯の動き方・噛み合わせ・生活習慣などを考慮した“オーダーメイドの保定”を行っています。

治療を終えたあとも、一人ひとりの歯並びを責任をもって見守る。
それが、当院の矯正治療における大切な理念です。


6. 保定期間の目安と正しい使い方

矯正治療が終了したあと、歯が新しい位置に定着するまでには一定の時間がかかります。
この期間を「保定期間」と呼び、治療の種類や歯の動き方、年齢などによって個人差はありますが、
一般的には
少なくとも2年間はしっかりと保定を行うことが推奨されます。

■ 治療直後の2年間が最も重要

矯正直後は、歯の周囲の骨や歯ぐきがまだ安定しておらず、
歯がわずかな力でも動きやすい「不安定な状態」にあります。
そのため、1年目は日中・夜間ともにおよそ10時間程度リテーナーを装着することが基本です。

2年目以降は、歯の位置が次第に安定していくため、就寝時のみの装着でも十分な保定効果が得られます。
ただし、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方、歯列が動きやすい傾向のある方は、
夜間だけでなく日中も一定時間の装着を継続することをおすすめしています。

■ “外さない”ことより“続ける”ことが大切

「つけ忘れた日がある」「旅行に持って行き忘れた」など、一時的な装着忘れであれば大きな問題にはなりません。
しかし、数日〜数週間といった装着の中断が続くと、歯がゆっくりと動いてしまうため注意が必要です。
一度ずれてしまうと、リテーナーがきつくなり、最悪の場合は装着できなくなることもあります。

リテーナーの装着で大切なのは、“完璧に続けること”よりも“長く習慣化すること”。
「寝る前に必ず装着する」というように、生活リズムの一部に取り入れることが、
後戻りを防ぐ一番確実な方法です。

■ 保定期間後も「就寝時の装着」は継続を

歯は一生を通じて、噛む力や舌圧、加齢変化などの影響で少しずつ動いていきます。
そのため、矯正が終わってから何年経っても、就寝時のリテーナー使用を習慣として続けることが理想的です。

一生つけ続けるというと大げさに聞こえるかもしれませんが、
歯並びを長く美しく保つためには、「寝るときのリテーナー」が最も簡単で効果的な予防策になります。

矯正の完成は「装置を外した瞬間」ではなく、
歯並びが安定して美しさを保てるようになったとき。
その鍵を握るのが、リテーナーの正しい使用と継続です。


7. やりっぱなしにしない!保定まで説明する矯正歯科を選ぶ理由

矯正治療を検討される際、多くの方は「どんな装置を使うのか」「どのくらい期間がかかるのか」に注目されます。
しかし実際に治療を終えたあと、
「保定装置のことをきちんと説明されていなかった」
「リテーナーを使わなかったら歯が動いてしまった」
という相談が少なくありません。

矯正治療の本当の目的は、“きれいな歯並びをつくり、そのきれいな状態を保ち続けること”です。
そのためには、治療前のカウンセリングの段階で、
「保定の必要性」や「リテーナーの装着期間」「装着時間の目安」までをしっかり説明してくれる矯正歯科を選ぶことが重要です。

患者様が保定の大切さを理解し、無理なく続けられるようサポートする体制がある医院ほど、
長期的に安定した結果を得られる傾向があります。

当院では、治療を始める前に必ず「保定装置」についてもお話しし、
治療終了後も定期的な検診で歯の動きや噛み合わせを細かく確認しています。
万が一、後戻りの傾向が見られた場合にも、すぐに調整や再製作を行い、歯並びの安定をしっかりとサポートしています。

「装置を外して終わり」ではなく、
“最後まで責任を持って見守る”——それが信頼できる矯正歯科の姿勢です。


8. まとめ:リテーナーは矯正の仕上げ。一生付き合う気持ちで

矯正治療は、装置を外した瞬間が「ゴール」ではありません。
その状態を安定させ、きれいな歯並びと機能を維持するために
支えてくれるのがリテーナー(保定装置)です。

歯は一生を通じてわずかに動く性質を持っており、
噛む力や舌の位置、加齢による変化などによって、少しずつ歯列が変化していきます。
だからこそ、矯正後の保定は「一時的な装置」ではなく、
これからの歯の健康と美しさを守る“長期的なパートナー”と考えていただくことが大切です。

「せっかくきれいに整った歯並びを、できるだけ長く保ちたい」
その気持ちを支えるのが、リテーナーの継続的な使用と定期的なチェックです。

当院では、治療後の保定までを一貫してサポートし、
美しい歯並びと健康的な噛み合わせを長く維持できるよう、責任を持ってサポートしています。

🦷 矯正後の歯並び、しっかり守れていますか?

矯正治療は、装置を外したあとも“保定期間”がとても大切です。
当院では、矯正終了後の定期チェックやリテーナーの調整を通して、
きれいな歯並びを長く維持できるようサポートしています。

「リテーナーをつけ忘れてしまう」「少し歯が動いた気がする」など、
後戻りが気になる方は、早めのチェックがおすすめです。

📍保定や再矯正のご相談は無料で承っています。
お気軽にご相談ください。

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※この記事は2025年10月に最新の情報をもとに内容を更新しました。

 

 

 

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小川朗子

監修者

アンチエイジングデンタルクリニック恵比寿 小川 朗子(おがわ あきこ) 担当科目:一般歯科/専門治療 矯正歯科・点滴療法
1996年 鶴見大学歯学部卒業
1997年〜2006年 都内開業医勤務
2004年〜南青山デンタルクリニック副院長
2006年 アンチエイジングデンタルクリニック恵比寿開院
2007年 抗加齢医学会認定専門医取得
2015年 インビザライン認定医取得
2017年 高濃度ビタミンC点滴認定医取得
2018年 インディアナ州立大学歯学部 歯科矯正プログラム認定医取得
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