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【歯科】

歯ぎしり・食いしばりは枕と姿勢で改善!簡単タオル対策法

Last Updated on 2025年10月26日 by 小川朗子

 

「朝起きると顎がこわばっている」「奥歯がしみる」「顔のむくみやエラ張りが気になる」
それは、寝ている間に無意識で行っている歯ぎしりや食いしばりが原因かもしれません。
実は日本人の約7割が経験しているとされるこの症状、放っておくと歯のすり減りや顎関節症、顔のゆがみにまでつながることもあります。

この記事では、歯ぎしり・食いしばりを悪化させる「枕なし睡眠」や「姿勢のクセ」など日常生活に潜む原因と、
自宅でできるタオルを使った改善法、さらにマウスピース・ボトックス注射などの専門治療まで、歯科医の視点で詳しく解説します。

歯ぎしり・食いしばりは「日本人の7割」が経験している?

「朝起きると顎が重い」「奥歯がしみる」「歯が欠けたことがある」
こうした経験はありませんか?
実は、歯ぎしりや食いしばりは日本人の約7割以上が一度は経験していると言われています。
しかし多くの方は自覚がないまま続けているのが現実です。

1.1 自覚しにくい症状とサイン

◊起床時の顎の疲れ、こわばり

◊慢性的な肩こりや頭痛

◊顔の歪み、エラ張りが気になる

◊無意識に歯をギュッと噛んでいる

◊口が開けにくい・顎の音がする

こうした症状がある場合、寝ている間や集中時に「強い噛みしめ」が起こっている可能性があります。
患者様の中には「噛んでいる状態が普通だと思っていた」と話される方も少なくありません。

1.2 口の中で起こる変化とは

◊歯がすり減って平らになっている

◊詰め物やセラミックが欠ける

◊歯肉との境目が削れてへこんでいる(特に犬歯や小臼歯)

◊知覚過敏がある

◊一部の歯周病が進行している

◊根が割れて抜歯に至った

これらの症状が複数ある場合は、歯ぎしり・食いしばりによる慢性的な負担が原因かもしれません。

奥歯の噛み締めが強く、歯の根が割れたケース。根っこが割れると多くの場合抜歯になります。


2. 枕なし睡眠や姿勢のクセが原因に?

寝る姿勢や日常の何気ない癖が、実は歯ぎしりや顎の不調の原因になっていることがあります。

2.1 枕や寝姿勢と顎の関係

「枕なしで寝る」「うつ伏せで寝る」「横向きで腕や肘を下に敷く」
こうした姿勢は顎関節に不自然な圧力をかけ、無意識の食いしばりを誘発します。
また、PCやスマホを長時間使い続けることで首・肩・咬筋(噛む筋肉)が緊張し、夜間もリラックスできない状態に。

理想は、首の後ろを軽く支える高さの枕(またはタオル)を使って、仰向けで寝ること。
顎や首まわりの筋肉がリラックスし、食いしばりを起こしにくくなります。

2.2 日常生活に潜む悪習慣チェックリスト

◊ストレスがかかると無意識に噛みしめる

◊食事のとき片側だけで噛む

◊いつも歯同士が触れている

◊頬杖をつく癖がある

◊舌が常に歯を押している

これらに心当たりがある方は、今日から少しずつ意識を変えてみましょう。


3. 自宅でできる!歯ぎしり・食いしばり改善のセルフケア

3.1 タオルを使った枕調整・リラックス法

枕が高すぎても低すぎても、首や顎の筋肉に負担がかかります。
タオルを丸めて高さを調整すると、自分の首のカーブにぴったり合った自然な姿勢を保ちやすくなります。写真のようなイメージです。

寝る前には次のようなストレッチを行うのもおすすめです。

◊仰向けで全身を伸ばし、深呼吸をしながら脱力する

◊首をゆっくり左右に倒して筋肉を緩める

◊スマホやPCは就寝1時間前までにOFF

入浴で体を温め、副交感神経を高めることでリラックスし、睡眠中の噛みしめを防ぎます。

3.2 舌の位置トレーニング・姿勢改善ポイント

日中、上下の歯は触れないのが正解です。
舌を上あご(前歯の少し後ろ)に軽くつけ、口を閉じた状態をキープしてみましょう。
これを「MFT(口腔筋機能療法)」と呼び、歯ぎしり・食いしばりの改善にも有効です。

舌先を前歯の後ろ側につけ、舌全体を上顎に収めるようにする。舌はこの位置で口を閉じます。

ポイント

舌先は上あごの前歯の後ろのくぼみに軽く触れる

歯は接触させず、唇は自然に閉じる

肩の力を抜いて姿勢をまっすぐに

日中からこの姿勢を保てるようになると、夜間の筋肉の緊張も和らぎやすくなります。

4. 改善しない場合の対策:マウスピース&ボトックス治療

4.1 マウスピース治療の効果

セルフケアを行っても改善しない場合は、夜間用マウスピースの使用が効果的です。
マウスピースは、寝ている間の強い噛みしめから歯や顎関節を守り、
・歯のすり減りや欠け
・詰め物・セラミックの破損
・顎関節の炎症
などを防ぐ役割があります。

当院では、症状や歯列に合わせたマウスピースを作製しています。
装着するだけで、歯へのダメージを大幅に軽減することが可能です。

4.2 咬筋ボトックスで噛む力を軽減

より根本的に、即「噛む力」そのものを抑えたい場合には、咬筋ボトックス注射も有効です。
ボトックスは、咬筋(こうきん)と呼ばれる噛む筋肉の働きを一時的に弱め、
無意識の食いしばり・歯ぎしりを抑制します。

◊効果は4〜6ヶ月ほど持続

◊歯や顎への負担軽減

◊エラ張りの改善によるフェイスラインの変化も期待

歯や顎に過度な負担がかかる前に、医師に相談して早めに対策を行うことが大切です。

5. 歯や顎を守るために―早めの対策を

歯ぎしりや食いしばりを放置すると、
歯の破折・歯周病の悪化・顎関節症・顔の歪みなど、
お口全体に深刻なダメージを与えることがあります。

「タオル枕でリラックスする」「舌の位置を意識する」など、
まずは今日からできる小さな習慣を積み重ねてみてください。

そして、症状が続く場合や歯のすり減りが気になる場合は、
専門的な治療(マウスピース・ボトックス)でしっかりと対策を行いましょう。

歯ぎしり・食いしばりのボトックス治療についてはこちら

 

 

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小川朗子

監修者

アンチエイジングデンタルクリニック恵比寿 小川 朗子(おがわ あきこ)
1996年 鶴見大学歯学部卒業
1997年〜2006年 都内開業医勤務
2004年〜南青山デンタルクリニック副院長
2006年 アンチエイジングデンタルクリニック恵比寿開院
2007年 抗加齢医学会認定専門医取得
2015年 インビザライン認定医取得
2017年 高濃度ビタミンC点滴認定医取得
2018年 インディアナ州立大学歯学部 歯科矯正プログラム認定医取得
2018年 著書「若さを取り戻す歯のエイジングケア」出版
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