【インビザライン】
インビザライン矯正で歯を削る?歯を抜かないインビザライン矯正で行う、歯と歯の間を削るIPRとは?
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インビザラインで歯を削る処置 IPRとは?
インビザライン治療では、歯を動かすために歯と歯の間を削ることがあります。この歯を削る処置はIPR、ディスキングと言われています。
当院でも、歯を動かすために必要な場合は、歯を抜かない代わりに歯と歯の間を削り、スペースを作ることがあります。歯を削ると聞くと、いわゆる虫歯治療の時のように「キーン」という機械で削るイメージがあるかもしれませんが、そうではありません。
専用の器具で、0.1mm〜0.5mmくらいのわずかな量を削るのですが、もちろん痛みもなく、削った面はツルツルに磨いて虫歯の原因にならないように十分に配慮しています。
歯の形が崩れるような削り方にもならないよう、歯のかたちを熟知して行っておりますのでご安心を。
インビザラインで歯が動く仕組みについて
インビザラインでは、歯を後方に移動させたり側方に広げることで歯を綺麗に並べるスペースを作ります。それでも、歯並びを綺麗に整えるためにスペースが足りない場合には歯と歯の間を削る必要があります。また、前歯に限った部分矯正や、比較的軽度の歯列不正の場合など、短期間低予算のプランでインビザライン矯正を行う場合には、歯と歯の間を削ることが多いです。削って作ったすきまをを利用して歯が動いていきます。
マウスピースで歯を動かしていくインビザライン矯正
インビザライン矯正では、スキャナーで歯型を読み取り、そのデータと歯科医師の指示の元に治療計画が立てられ、患者様の歯並びを治すための7枚〜50枚ほどのマウスピースが一人ひとりの歯並びの状態に合わせて制作されます。1枚のマウスピースで歯を動かす量は約0.25mm〜0.3mmほどです。そのため、歯並び不正が大きいほど枚数も多くなります。その患者様にカスタマイズされたマウスピースをご自身で10日〜2週間ごとに交換して治療を進めていきます。
インビザライン治療では歯を削ることがある
当院では、歯を抜かないインビザライン治療を行っており、その代わりに歯並びの状態によっては歯と歯の間を削って歯を動かすスペースを作ることがあります。例えば、、
⚪︎奥歯を動かすだけでは歯並びを綺麗にするのにスペースが足りない場合
⚪︎前歯の部分的な矯正を行うとき、短期間で行うプランの場合
⚪︎でこぼこの前歯や出っ歯を治す場合
⚪︎ブラックトライアングルを改善する場合(歯のすき間を残さずピッタリ埋める場合)
などです。
実際、歯を削るときは、削る量のゲージがついている専用の器具で削ります。けっこう歯に響くので、初回に削る時にはホイール状の器具で削ってからヤスリのような器具を使って、なるべく振動が響かないように配慮しています。
歯を動かすための補助装置
歯を削って動かすスペースを作りつつ、歯1本1本の動きを補助したり、奥歯の後方移動や歯列全体を引っ込めるための補助装置をご紹介します。
アタッチメント
歯の表面につけるポッチのことを「アタッチメント」と言います。歯の動きを補助する最適な形で治療計画に組み込まれています。基本的にはつけたほうが良いのですが、芸能活動をされている方など、どうしてもアタッチメントはつけられない、できればつけずに行いたい、というご希望の方はつけずに行うことも可能です。また、イベントや結婚式があって一時的に外したい、という場合には一旦外すことができます。全くつけずに行うと動きに遅れが生じる可能性があるのですが、動かないわけではないので患者様のご希望に合わせて対応しています。
顎間ゴム
奥歯の噛み合わせ、歯列全体を動かすために上下のマウスピースにゴムを引っ掛けて治療を進めていくことがあります。ゴムをかけるようなケースとしては
⚪︎噛み合わせ改善が必要な場合(受け口、出っ歯、口ゴボの噛み合わせの方など)
⚪︎歯の向きが前方に傾いている場合(犬歯が前に倒れている、歯全体が前に出っ張っている)
インビザライン治療で歯を削るメリット
⚪︎前歯の部分的な矯正が行える
歯と歯の間を削って歯を動かすスペースを作ることで、奥歯の噛み合わせを変えずに歯並びを整えることができます。そのため、大掛かりにならず前歯の部分的な矯正が行えます。
⚪︎歯を抜かないで治療が行える
通常、歯がガタガタだったり出っ歯の場合は真ん中の歯を抜いて歯を並べるスペースを確保しますが、インビザラインでは、よほど重度な叢生や骨格的な出っ歯でなければ歯をわずかに削って奥歯自体を移動させることで歯を抜く代わりのスペースを作ることができます。
⚪︎歯列が綺麗に並ぶ
歯を削ってすき間を作ることで、はじめの位置から歯が前に出っ張って並ぶことを避けられるため、歯列全体が綺麗に並びます。歯の最終位置が元々の位置よりも後ろに引っ込んで並ぶので口元も出っ張らずに済みます。
⚪︎期間が短縮できる
矯正後の後戻りや前歯の凸凹を治すような、前歯に限定した軽度の歯列不正を治す場合、全く歯を削らないで行うと、スペースを確保するために奥歯も動かす必要があるため、期間が長くなります。期間と費用の負担を減らして、気になる前歯だけを治したい、という場合には歯を削ってスペースを確保して短期間で終了できるということも歯を削るメリットの一つです。
インビザラインで歯を削るデメリット
⚪︎健康な歯を削らないといけない
歯を抜かずとも、スペースを作るためにはわずかとは言え健康な歯を削るというデメリットは避けられません。エナメル質の範囲でしか削らないため、知覚過敏の症状が出たり、虫歯になりやすくなる、歯の寿命が短くなるというリスクはほぼありませんが、少しでも歯を削る、という事実は避けることができません。
⚪︎削る量が多いと、歯の横幅が細くなる
歯を削る量が多くなると、歯の形が元々の歯より細くなります。1本の歯に対して両側を0.5mm以上削ると見た目にもやや細くなったことがわかるため、削る量については慎重に決定する必要があります。歯が元々細い下の前歯や、上の前歯でも形が細長いタイプの歯の方は、前歯ばかりを削らないようにするなど、治療計画の際には歯科医師の診断力、技術力が重要になります。
⚪︎歯を削る量に限界がある
エナメル質の厚みは約1.5~2mm程度です。歯の健康にダメージが及ばない範囲で1本の歯で削れる量がおよそ最大1mm程度ですので、削る量には限界があります。そのため、奥歯を動かして、許容できる最大量を削ってもスペースが不足する場合は、歯を抜いて矯正する必要があります。
最終的な歯列と口元が綺麗になることが矯正治療の目的ですので、歯を抜かない代わりに歯を削って良い結果に導ける、という診断が行えた場合に歯を削ることのメリットが活きてきます。
⚪︎歯を削る際の不快感がある
歯を削る量がわずかなため、痛みや麻酔を伴うことはありませんが、専用のヤスリを使って削る処置は、振動が響くことが不快に感じる方も多いです。当院では、全くすき間のない状態ではじめに削る際は、なるべく振動と音が響かない器具での切削を行いますが、それでも削っている間は残念ながら快適とは言えません。。
まとめ
インビザライン矯正では、歯を後方に移動させたり側方に広げることで歯をきれいに並べるスペースを作ります。しかし、歯並びを完璧に整えるためには、スペースが足りない場合には歯と歯の間を削る必要があります。特に前歯の部分的な矯正や短期間・低予算のプランでの治療、でこぼこの前歯や出っ歯の修正、ブラックトライアングルの改善などの場合には、歯と歯の間を削ることが一般的です。
インビザライン治療では、スキャナーで歯型を読み取り、そのデータと歯科医師の指示に基づいて、患者様ごとにカスタマイズされたマウスピースが制作されます。治療計画に基づいて、マウスピースは10日から2週間ごとに交換され、0.25mm〜0.3mmほどの範囲で歯を動かしていきます。歯並びの不正が大きい場合は、より多くのマウスピースが必要になることもあります。
また、歯と歯の間を削る際には、専用の器具を使用して歯を削ります。初回にはホイール状の器具で削り、振動が響かないように注意を払います。削る量は最大でも0.5mm程度であり、痛みやしみる感覚はほとんどありません。削った後は、歯を研磨して滑らかな面に仕上げます。
さらに、歯を削って動かすスペースを作るだけでなく、補助装置も使用します。例えば、歯の表面につけるポッチである「アタッチメント」は、歯の動きを補助するために使用されます。通常はアタッチメントをつけることが推奨されますが、特別な事情がある場合や一時的に外したい場合は、患者様の希望に応じて対応することも可能です。
当院では、歯をわずかに削りながら、奥歯を後ろに動かしたり側方に広げたりして歯を抜かないインビザライン矯正を行っています。今までの経験上、健康な歯を抜くより、歯のダメージがない範囲で歯を削ってスペースを作り綺麗な歯並びにできるなら、その方が良いと考えています。できるだけ低侵襲でいきたい、大切な歯を抜かずに歯並びを綺麗にしたい、という思いで治療を行っております。
この記事では、歯を削って行うインビザライン治療についてご説明していますが、前歯だけの部分矯正をご希望の場合で、やっぱり歯はちょっとも削りたくない!というご希望の方は、削らずに歯並びを整えるプランもご提案することができます。例えば、歯を削るとライトプラン、歯を削らないとモデレートプラン、など治療計画の比較も行えますので、ぜひご相談ください。
ここで、歯を抜かないインビザライン治療で患者様からよく聞かれる質問についてお答えします。ぜひ参考にしてください。
⚪︎歯を削ると虫歯になったりしませんか?
歯を削った後に、削ったまま、つまりザラザラの面のままにしておくと虫歯になりやすくなりますが、当院では、削った後は滑沢な面にするため、必ずストリップスという研磨テープでツルツルに磨いて仕上げているのでご安心ください。とくに、歯を削る部分は、磨き残しの出やすい歯と歯の間なので、ちゃんとツルツルの面にしておかないと虫歯リスクが上がるのは事実です。削った後の仕上げは注意が必要です。
⚪︎歯を削るのは痛くないですか?
痛くありません。前述のように、少し振動が響いて不快な感じはあるのですが痛みは伴わないのでご安心ください。
⚪︎歯を抜かないと前に出っ張って並ぶのでは?と心配なのですが、口元は出っ張らないですか?歯並びが綺麗になっても出っ張るのは嫌だなと思っています。
口元が出っ張らないように、歯と歯の間を削り、奥歯を後方に動かして、歯列全体をゴムで引っ込めていくので、最初の位置から前に出っ張って並ぶことはありません。前歯と歯列が後方に下がるので口元は引っ込んで終了しますし唇も閉じやすくなります。ただ、骨の位置は非抜歯のインビザライン矯正では大きくは変わりません。骨格的な問題の出っ歯や口ゴボの方など、横顔で鼻の下から口元が大きく前に出っ張って見える方の場合は、抜歯矯正の方が向いている場合があります。
⚪︎歯列を横に広げると顔が大きく見えませんか?
歯列(アーチ)を広げることで顔が大きくなることはありません。歯列が大きく広いからといって顔が大きいとも限らず、むしろ歯列が綺麗なアーチを描き、正しい噛み合わせであると口元やフェイスラインがとても綺麗に見えます。
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監修者
- アンチエイジングデンタルクリニック恵比寿 小川 朗子(おがわ あきこ) 担当科目:一般歯科/専門治療 矯正歯科・点滴療法
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1996年 鶴見大学歯学部卒業
1997年〜2006年 都内開業医勤務
2004年〜南青山デンタルクリニック副院長
2006年 アンチエイジングデンタルクリニック恵比寿開院
2007年 抗加齢医学会認定専門医取得
2015年 インビザライン認定医取得
2017年 高濃度ビタミンC点滴認定医取得
2018年 インディアナ州立大学歯学部 歯科矯正プログラム認定医取得 - 公式サイトトップへ