【審美歯科】
セラミック治療とは?前歯・奥歯の白い詰め物、被せ物の料金、メリットデメリットについて
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歯を白い詰め物や被せ物で治すことができるセラミック治療とは?
セラミック治療は、虫歯を治した後の詰め物や審美的な改善を目的として、セラミック材料を使用する治療方法です。
セラミックは、従来の金属の材料に比べアレルギーが起こりにくく、耐久性、審美性、生体適合性に優れているため、現在は歯科治療において広く用いられています。
セラミックの特性
セラミックは、天然の歯に非常に近い透明感と色調を持っており、変色しにくいのが特徴です。また、金属アレルギーの心配がなく、長期間お口の中に入れていても体に害を及ぼすことはありません。
セラミック治療の適用範囲
セラミック治療は、虫歯や歯の欠損、歯の形や色の不正を修正するために自費診療で行われている治療です。特に前歯の審美的な治療で多く使われています。
セラミック治療と前歯
前歯は笑顔の印象を大きく左右する部分であり、虫歯治療後に入れる被せ物や審美的改善を目的としてセラミック治療を行うことが多いです。長期間、安定した色調や機能を維持でき、歯肉の黒ずみが起こらないため、前歯の治療に特に適しています。
前歯に適している理由は?
前歯は目立つ部分であるため、口元との調和が取れる自然で美しい仕上がりが求められます。セラミックは、その透明感と色調が天然の歯に非常に近いこと、保険適応の白い被せ物で使用する金属のフレームがなく歯肉との境目が黒く見えないこと、色調の変化がないこと、などが前歯の治療に最適な理由です。
前歯のセラミック治療の値段
前歯のセラミック治療は、使用する材料や治療内容によって値段が異なります。一般的に、前歯のセラミック治療では¥77000(税込)〜¥300000(税込)が相場となります。
奥歯も白い詰め物や被せ物で治したい!奥歯適応のセラミック治療の種類と方法
セラミック治療は、もちろん奥歯にも適応しています。ここでは奥歯に適応するセラミック治療の種類と方法についてもご紹介します。
奥歯のセラミック治療法はクラウン(被せ物)の他にインレー(アンレー)の2つが選択肢としてありますが、セラミックインレー(アンレー)については奥歯のみの適応となります。
前歯の治療法にインレーはないため、部分的な詰め物として使用するセラミック治療のインレー(アンレー)法は奥歯のみの適応となります。
ちなみにインレーとアンレーの違いは、詰めものの大きさの違いです。歯に詰める部分の大きさが比較的小さいものをインレー、大きいものをアンレーといいます。
奥歯に適応するセラミックとは
当院で治療することができる奥歯に適応するセラミックのタイプはハイブリッドセラミック、セラミック、ジルコニアの3つで、以下が比較となります。
素材 | ハイブリッドセラミックスインレー(アンレー) | セラミックスインレー(アンレー)/クラウン | ジルコニアインレー(アンレー)/クラウン |
---|---|---|---|
費用 | ¥38500(税込) | ¥66000(税込)/¥77000(税込)~ | ¥80300(税込)/ ¥104500(税込)~ |
メリット | 安価である。柔らかく歯に馴染みやすい。 | 透明感が高く歯の色調にマッチしやすい。変色しない。舌触りが良い。 | 強度と耐久性が高い。変色しない。 |
デメリット | 強度と耐久性が低い。5年ほどで徐々にすり減ってくる。プラークがつきやすい。 | 咬合圧がかかる部分が欠けることがある。 | 硬い材質のため、噛み合わせ調整をより入念に行う必要がある。 |
保証期間 | インレー2年 | インレー2年 クラウン3年 | インレー2年 クラウン3年 |
ハイブリッドセラミックスインレー
特徴とメリット
ハイブリッドセラミックスインレーは、セラミックの中では一番低価格で、柔らかく歯に馴染みやすいのが特徴です。しかし、すり減りやすく耐久性は低いので、比較的咬合圧のかからない小臼歯に向いています。奥歯で使用する場合は、5年ほど経過すると徐々にすり減りが進みます。耐久年数としては5〜10年程度ですので、その間には取り替えが必要になります。
料金と保証期間
当院でのハイブリッドセラミックスインレーは¥38500(税込)で、保証期間は2年です。
セラミックスインレー/クラウン
特徴とメリット
セラミックスインレー/クラウンは、透明感が高く歯の色調にマッチしやすいのが特徴です。また、変色しないため、長期間美しい状態を保つことができます。セラミックは最も歯の色調や質感に近く、自分の歯との継ぎ目が最も目立たないため特に笑った時に見える小臼歯(犬歯の隣の歯)などのインレーやアンレーに適しています。
料金と保証期間
当院のセラミックスインレーは¥66000(税込)、クラウンは¥77000(税込)〜で、保証期間はインレー2年、クラウン3年です。
ジルコニアインレー/クラウン
特徴とメリット
ジルコニアは、強度と耐久性が高いのが特徴です。また、変色しないため、美しい状態を長期間保つことができます。当院では、ジルコニアインレー、クラウンともに2種類の材質を提供しています。
ジルコニアは基本的に色調がマットで透明度がないことが難点ですが、(そのため、透明感のある天然歯の色調には完全にマッチしません)高透過性ジルコニア(トランスジルコニア)だと、セラミックに近い透明感が出せます。ジルコニア自体の強度が2割程度落ちますが、それでもセラミックの2倍強。ですので、口を開けた時に見える下の奥歯や笑うと見える上の小臼歯などに向いています。強度を最優先したい場合は、色調のマッチングは妥協して通常のジルコニアを選択する方が良いでしょう。
料金と保証期間
当院のジルコニアインレーは¥80300(税込)、クラウンは、奥歯¥104500(税込)~前歯¥121000(税込)で、保証期間はインレー2年、クラウン3年です。
セラミック治療の種類と特徴
セラミック治療は、治療する歯の部位によって最適な材質がありますが、いくつかの種類の中から選ぶことが可能です。それぞれの特徴や料金の違いを理解して、自分に合ったセラミック治療を選びましょう。当院では、患者様の歯の状態を診させて頂き、ご希望も踏まえて最適なセラミック治療をご提案していますのでお気軽にご相談ください。
セラミッククラウンとその他被せ物の種類と比較
以下にセラミッククラウンとその他の被せ物の種類を紹介します。近年では、保険適応の白い被せ物「CAD/CAM」も出ているので、保険適応範囲でも条件に合えば銀歯じゃない選択が可能になりました。
オールセラミッククラウン | クラウンの全てがセラミックで作られています。透明感が高いのが特徴です。補強のフレームがないため、適切な厚みがないと割れることがあります。そのため、歯を削る量が少し多くなること、クラウンが少し丸くぽってりした印象になるのが特徴です。強度がやや低いため、歯ぎしりや食いしばりのある方や大臼歯にはあまりおすすめではありません。 |
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ジルコニアセラミッククラウン | 強度、審美性ともに優れているクラウンです。奥歯、前歯ともに適応できますが、特に審美性を必要とする前歯に使用されることが多いです。 |
フルジルコニアクラウン | 強度に優れたクラウンです。奥歯に特に向いています。セラミックに近い透明度を持つ高透過性(トランス)フルジルコニアクラウンは、前歯にも適応します。歯ぎしりや食いしばり癖のある方には前歯にもフルジルコニアを使用することがあります。 |
メタルボンドクラウン | 内側に金属のフレームのあるクラウンです。耐久性や強度はありますが、食いしばりや歯ぎしりのある方の場合、表層のセラミックが割れることがあります。 |
ハイブリッドセラミック | セラミックに樹脂が混ざったクラウンです。非常に柔らかく噛み心地がいいのが特徴です。すり減りが早く耐久性は低いため、永年的に使用できる材質ではありません。耐久性の問題で大臼歯にはあまりおすすめではありません。 |
金歯(ゴールドクラウン) | ゴールド単独や、ゴールドに白金等の金属が混ざったクラウンです。現在ではゴールドの材料費の高騰により広く用いられることは少なくなりましたが、柔らかく歯に馴染みやすいのがメリットです。 |
銀歯 | 保険適応のクラウンです。銀、パラジウムが主成分です。小臼歯や大臼歯に使用され、保険適応のブリッジにも使用されます。全て銀色のため審美性は低いこと、劣化が早いことがデメリットです。金属アレルギー発症のリスクがあるためアレルギーをお持ちの方にはおすすめをしておりません。 |
CAD/ CAM冠 | 保険適応の白いクラウンです。現在は部位限定で保険適応で入れられる唯一の白いクラウンです。フレームを有していないため強度と耐久性は低いですが、見た目は全て白くなるため、予算的にセラミックが難しい、一時的に入れておくなどの場合に適しています。 部位や条件が限られるため、事前の確認が必要です。 |
オールセラミッククラウン | ジルコニアセラミッククラウン | フルジルコニアクラウン | メタルボンドクラウン | ハイブリッドセラミック | 金歯(ゴールドクラウン) | 銀歯 | CAD/ CAM冠 | |
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写真 | ||||||||
材質(構造) | 白い陶製の材料 セラミックだけで作ったもの | 二酸化ジルコニウムのジルコニアとセラミックの二重構造 | 二酸化ジルコニウム(人工ダイアモンド) | 金属フレームにセラミックを焼き付けた二重構造 | セラミックにプラスチックが混ざった構造 | ゴールド | 銀 パラジウム | セラミックとプラスチックのハイブリッドレジン |
保険適用 | なし | なし | なし | なし | なし | なし | あり | あり |
一般的な費用相場 | 55000円〜220000円 | 100000円〜300000円 | 80000円〜200000円 | 100000円〜200000円 | 30000円〜100000円 | 100000円〜200000円 | 3000円〜5000円(保険適用) | 約6000円〜8000円 |
審美性 | ○ | ◎ | ○ | △ | △ | × | × | △ |
色の再現性 | ○ | ◎ | △ | △ | △ | × | × | △ |
変色 | ほぼなし | ほぼなし | ほぼなし | ややあり | あり | あり(金属の経年劣化によるもの) | あり | あり |
耐久性(寿命) | 10年〜20年 | 10年〜20年 | 10年〜20年 | 7年〜10年 | 約5年 | 10年〜20年 | 2年〜5年 | 約3年 |
強度 | △ | ○ | ◎ | ○ | 低い | △ | ○ | △ |
適応 | 前歯、小臼歯 | 全ての歯に適応 | 全ての歯に適応 | 全ての歯に適応 | 全ての歯に適応 | 奥歯 | 奥歯 | 前歯、小臼歯 第一大臼歯(条件あり) |
金属アレルギー | なし | なし | なし | あり | なし | あり | あり | なし |
虫歯のリスク | 低い | 低い | ほぼなし | ややあり | あり | あり | あり | あり |
ブリッジの適用 | なし | あり | あり | あり | なし | なし | あり | あり |
長所 | 金属を使わないため透明感がある | 強度と審美性に優れている | 強度に優れている | ジルコニアより費用が安い | 費用が安い 柔らかく馴染みがいい | 金属の中では生体親和性が良い 柔らかく歯に馴染みやすい | 安い、保険適用である | 保険適用である |
短所 | 中の歯の色が透けることがある。強度が低い | 費用が高い | 色調再現性がセラミックより低い | 審美性に劣る 歯肉の黒ずみが起こることがある | すり減りやすく材質劣化がある。耐久性が低い。審美性が劣る | 高価である。金属疲労による経年劣化がある。 | 審美性が低い 劣化が早い 金属アレルギーの発症リスクが高い | 耐久性が低い 色調の選択肢が少ない |
セラミック治療のメリットとデメリット
セラミック治療には、多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。ここでは、セラミック治療のメリットとデメリットを詳しく紹介します。
メリット
セラミック治療の最大のメリットは、その審美性にあります。セラミックは、天然の歯に非常に近い透明感と色調を持っており、自然な仕上がりが得られます。また、変色しにくいため、長期間美しい状態を保つことができます。中でもジルコニアは、強度、耐久性、審美性ともに非常に優れた材質で、ブリッジも製作できるため、お口の中を完全メタルフリーにすることができます。
デメリット
セラミック治療のデメリットとしては、金属クラウンの治療よりも料金が高くなることです。また、セラミック単独で作られるオールセラミッククラウンは、噛む際の衝撃に弱く、割れたり欠けることがあります。(ジルコニアはこの通りではありません)そのほか、欠けたり割れたりした場合、同じセラミックの材質では修復はできません。しかし、奥歯の場合など、少しの範囲での破損は自費用レジンで修復は可能ですのでご安心ください。
セラミック治療を選ぶ際のポイント
セラミック治療を選ぶ際には、料金だけでなく、治療の質や歯科医師の技術力、使用する材料の種類や品質、型取りや接着法に至るまで、さまざまな要因を考慮することが重要です。長期的に見て、見た目だけでなく歯にとって機能的にも良い材質を選ぶことが、治療後の二次的なトラブルの予防に繋がります。
選ぶべき治療方法の選定
患者様ご自身のご希望や予算、治療を受ける部位に応じて、最適な治療方法を選ぶことが重要です。患者様一人ひとり、お口や顎の筋力、年齢、歯の状態や噛み合わせになる対合の歯の状態などの様々な条件が違うため、当院ではその方に合った最適なセラミック治療をご提案しております。
料金と品質のバランス
自費のセラミック治療の料金には、材質そのものの品質の良さだけでなく、歯科医師の技術や設備、型取りの方法、接着材料の品質や技術、技工士の技術など全てが含まれます。治療技術や使用する材料、セラミックの材質と品質のバランスを考慮して、自分に合った治療を選ぶことが重要です。
まとめ
今回の記事では、セラミック治療とセラミックの種類、その他のクラウン(被せ物)の比較を書きました。虫歯治療の後に何を入れるか?銀歯を白い歯に取り替えたいけれどセラミックの種類がたくさんあってわからない、などのお悩みがある方、セラミック治療に迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
私も時々、友人知人に「セラミックってやっぱりいいの?」「ジルコニアって硬すぎて歯によくないって本当?」と聞かれることがあります。価値観にもよると思いますが、やはり今から入れるならセラミック系の材質が良いと思います。自信を持ってすすめられます。金属(銀歯)は劣化がすぐに始まり数年で虫歯リスクが高くなり、アレルギーを引き起こす可能性もあります。銀歯は見た目にも美しくないのも残念です。笑った時には白い歯が見えた方が断然綺麗で清潔感がありますよね。
セラミック治療の良い点は材質そのものの品質の良さはもちろんのこと、型取りの方法、セラミック専用の接着剤が優れていることです。精度が良い詰め物、被せ物は二次虫歯のリスクも減らすことができます。ここには治療技術が伴うことが前提です。
セラミック治療の際に、この3つの条件がそろい、なおかつメンテナンスを定期的に行えばお口の中で長期的に安定し、内部の二次虫歯リスクも防ぐことができます。ちなみに当院では精度の高いシリコンや光学式スキャナーなどの型取りを行っているので適合も良い技工物が出来上がってきます。長い目で見て、なるべくやり直す可能性が低いものを選ぶことは歯にとっても大切なことです。
ジルコニアって硬すぎるからよくないのでは? もよく聞かれることですが、きちんとその後の噛み合わせ調整を行えばそんなことはありません。もちろんケースバイケースなのでジルコニアがその方にとってベスト、とは限りません。当院では、年齢や歯の部位により、強度、硬さがそこまで必要としないケース、審美性も欲しい場合は「ジルコニアトランス、高透過性ジルコニア」と言って、通常のジルコニアよりもやや柔らかい(通常より強度は2割落ちますが、それでもセラミックの2倍以上の強さ)タイプを選択しています。
セラミックだと割れてしまう方もいらっしゃるため、とくに奥歯に関してはジルコニアが多く使われています。
白い歯を入れたいが、自分には何が適切なのか分からない、種類などでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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監修者
- アンチエイジングデンタルクリニック恵比寿 小川 朗子(おがわ あきこ) 担当科目:一般歯科/専門治療 矯正歯科・点滴療法
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1996年 鶴見大学歯学部卒業
1997年〜2006年 都内開業医勤務
2004年〜南青山デンタルクリニック副院長
2006年 アンチエイジングデンタルクリニック恵比寿開院
2007年 抗加齢医学会認定専門医取得
2015年 インビザライン認定医取得
2017年 高濃度ビタミンC点滴認定医取得
2018年 インディアナ州立大学歯学部 歯科矯正プログラム認定医取得 - 公式サイトトップへ