【口元のコンディショニング】 NEW
身体を整えるように口元も整える 〜咀嚼・噛み合わせと脳活動・身体機能の関係

美容や健康に携わる方は、日頃から身体のコンディションを整えることを大切にされていると思います。
適度な運動、バランスの良い食事、十分な睡眠。
これらは健康づくりの基本ですが、近年では、「口元のコンディショニング」も身体全体の健康を考えるうえで大切な要素のひとつとして注目されています。
口元のコンディショニングとは、単に歯を白くすることや、虫歯を治療することだけではありません。
しっかり噛めること。
健康な歯や歯ぐきを維持すること。
噛み合わせを整え、口腔環境を良好に保つこと。
これらは毎日の食事を支えるだけでなく、身体のコンディションや生活の質(QOL)にも関わる大切な要素です。
また近年では、咀嚼(しっかり噛むこと)と脳活動との関連についても、さまざまな研究が行われています。
今回は、美容や健康を支えるプロフェッショナルの皆さまにも知っていただきたい、「口元も身体の一部として整える」という考え方をご紹介します。
目次
口元のコンディショニングとは?

身体を整えるように、口元も整える
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身体のコンディショニング
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✔ 姿勢
✔ 筋力
✔ 栄養
✔ 睡眠
✔ 運動
└────────────────────┘
+
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口元のコンディショニング
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✔ 歯
✔ 咀嚼(しっかり噛むこと)
✔ 噛み合わせ
✔ 口腔環境
└────────────────────┘
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美しさ・健康・毎日のコンディションを支える
身体のコンディショニングというと、筋力や柔軟性、姿勢などを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、身体はそれぞれの部位が独立して働いているわけではありません。筋肉や神経、感覚器官などが互いに連携しながら、全身の機能を支えています。
口も、その大切な一部です。
食べ物を噛むこと、会話をすること、笑顔をつくること。
口元は食事や健康だけでなく、人とのコミュニケーションや第一印象にも深く関わっています。
また、咀嚼によって生じる感覚刺激は、口の中だけで完結するものではなく、神経を通して脳へと伝わります。
こうしたことから当院では、歯・咀嚼・噛み合わせ・口腔環境を含め、「口元も身体の一部としてコンディショニングする」という考え方を大切にしています。
咀嚼は脳活動とどのような関係があるのでしょうか?
咀嚼(噛む)
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口腔から脳への感覚入力
↓
脳活動・脳血流の変化
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注意・認知機能との関連が研究されている
私たちは普段、「噛む」という行為を意識することなく食事をしています。
しかし咀嚼は、歯や歯ぐき、舌、顎の筋肉、神経などが連携して行われる、非常に複雑な身体運動です。
噛むことで生じた口腔内からの感覚刺激は神経を通じて脳へ伝えられます。
近年では、この咀嚼による刺激と脳活動との関連について、多くの研究が行われています。
例えば、Onozukaらが機能的MRI(fMRI)を用いて行った研究では、ガムを噛んでいる際に、
- 感覚運動野
- 補足運動野
- 島皮質
- 視床
- 小脳
など、複数の脳領域で活動の増加が確認されています。
また、日本咀嚼学会の報告では、注意、判断、学習、記憶などの認知機能に関わる前頭前野についても、咀嚼時の活動との関連が研究されています。
さらに、Hiranoらによるシステマティックレビューでは、咀嚼と持続的注意との関係を調べた22件の研究のうち、14件で注意機能に対する肯定的な結果が報告されました。
ただし、これは「噛めば必ず集中力が高まる」という意味ではありません。研究によって結果には違いがあり、咀嚼の方法や時間、評価方法などによっても影響は異なります。
現在の研究からは、咀嚼が脳活動や注意機能と関連する可能性が示されており、「噛む」という日常的な動作が、単に食べ物を細かくするだけの機能ではないことが分かってきています。
「噛むこと」も、身体機能のひとつ
身体づくりでは、筋力、柔軟性、姿勢、栄養などに目が向きがちです。
しかし、「噛む」という行為も、筋肉・神経・感覚・脳が連携して行われる身体機能のひとつです。
だからこそ、身体のコンディションを大切にしている方にこそ、歯や噛み合わせ、咀嚼、口腔環境にも目を向けていただきたいと私たちは考えています。
身体を整えるように、口元も整える。
それが、当院が考える「口元のコンディショニング」です。
噛み合わせと姿勢・身体機能の関係
「噛み合わせ」は、単に上下の歯が合っているかどうかだけの問題ではありません。
噛むときには、歯や顎だけでなく、咀嚼筋、顎関節、頸部周囲の筋肉、そしてそれらをコントロールする神経系が連携して働いています。
そのため、噛み合わせと頭部の位置、姿勢、身体バランスとの関連については、これまでさまざまな研究が行われてきました。
ただし、「噛み合わせを整えれば姿勢が良くなる」「運動能力が必ず向上する」と単純に言い切れるものではありません。
姿勢や身体機能には、筋力、柔軟性、既往歴、生活習慣など多くの要因が関係しているためです。
一方で、身体の一部として口腔機能を捉え、歯や顎、噛み合わせまで含めて良好な状態を保つことは、日々のコンディションを考えるうえで大切な視点のひとつです。
噛み合わせ・咀嚼機能
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歯・顎・咀嚼筋・神経の連携
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頭部や身体バランスとの関連が研究されている
身体づくりに携わる方にとって、「口元を身体から切り離して考えない」という視点は、コンディショニングをより広く捉えるきっかけになるのではないでしょうか。
トレーニングやスポーツ時に大切な「スポーツ用マウスピース」

スポーツやトレーニングでは、歯や顎に強い力が加わることがあります。
特に格闘技やコンタクトスポーツはもちろん、強く踏ん張る場面のあるトレーニングでは、無意識に歯を食いしばる方も少なくありません。
そのような場面で歯や顎を守るために使用されるのが、スポーツ用マウスピース(マウスガード)です。
当院では、市販品ではなく、一人ひとりの歯型や競技内容に合わせたオーダーメイドのスポーツ用マウスピースを製作しています。
当院で扱うスポーツ用マウスピースは、強度や耐久性を考慮した二重構造のタイプもあり、競技や使用目的に応じて厚みや素材、噛み合わせる位置の圧痕の深さなどを調整することができます。
歯型に合わせて製作するため、噛んだときに歯が安定した位置に収まりやすく、市販タイプに比べてフィット感を得やすいことも特徴です。
また、カラーもクリア、ブラック、ホワイト、レッドなど、さまざまな選択肢があります。
実際に当院では、キックボクシングなどの格闘技をはじめ、トレーニングやゴルフなど、目的に合わせたスポーツ用マウスピースの製作を行っています。競技やトレーニング用、試合用など、用途に合わせて使い分ける方もいらっしゃいます。
スポーツ用マウスピースの第一の目的は、歯や口腔内、顎への衝撃を軽減し、口元を守ることです。
噛み合わせや身体パフォーマンスとの関連についても研究されていますが、マウスピースを装着すれば必ず筋力や運動能力が向上するというものではありません。
だからこそ、競技内容や歯並び、噛み合わせを確認したうえで、ご自身に合ったものを使用することが大切です。
詳しくは、以下の記事でもご紹介しています。
歯ぎしり・食いしばり・スポーツ用 自分に合ったマウスピースの選び方
競技に合わせてカスタマイズできるオーダーメイドスポーツ用マウスピース
スポーツ用マウスピースについて
身体を整えるように、口元も整える
健康や身体づくりというと、運動、栄養、睡眠、姿勢などに意識が向きます。
しかし、私たちが毎日行っている「噛む」という動作も、筋肉、神経、感覚、脳が連携する大切な身体機能です。
そして、その機能を支えているのが、健康な歯や歯ぐき、噛み合わせ、良好な口腔環境です。
当院では、治療が必要になってから歯科医院に通うのではなく、身体をメンテナンスするのと同じように、口元も日頃から整えていくことを大切にしています。
歯科で定期的に検診を受けること、クリーニングで口腔環境を整えること、しっかり噛める状態を維持すること。
これらも、将来の健康を支える「口元のコンディショニング」の一部です。
院長からのメッセージ
美容や健康、身体づくりに携わる皆さまは、ご自身の身体にも日頃から高い意識を持って向き合っていらっしゃると思います。
そのコンディショニングの中に、ぜひ「口元」という視点も加えていただきたいと思っています。
歯は、食べるためだけのものではありません。
しっかり噛めること、健康な歯や歯ぐきを保つこと、そして自然に笑える口元を維持することは、年齢を重ねても健康で自分らしく過ごすための大切な要素です。
当院では、単に歯を治療するだけではなく、予防やメンテナンス、噛み合わせ、審美的なケアまで含めて、一人ひとりの口元を長く健康に保つことを目指しています。
身体を整えるように、口元も整える。
それが、私たちが考える「口元のコンディショニング」です。
美容や健康を支えるプロフェッショナルの皆さまにも、ご自身の口元の状態を見直すきっかけにしていただければ幸いです。
アンチエイジングデンタルクリニック恵比寿
院長 小川朗子
参考文献
- Onozuka M, Fujita M, Watanabe K, et al. Mapping brain region activity during chewing: a functional magnetic resonance imaging study. J Dent Res. 2002;81(11):743-746.
PubMedで文献を見る - Hirano Y, Onozuka M. Chewing and Attention: A Positive Effect on Sustained Attention. Biomed Res Int. 2015;2015:367026.
PubMedで文献を見る - Alvarez Solano C, González Camacho LA, Castaño Duque SP, et al. To evaluate whether there is a relationship between occlusion and body posture as delineated by a stabilometric platform: A systematic review. CRANIO.
※咬合と姿勢の関連について12研究を検討したシステマティックレビュー。